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揺れ



 関東に地震が来るといわれて久しいが、このところ思わぬ場所で地震が起きる。大阪の地震は揺れの時間は短かったらしいが震度6だ。その前に東京でも下から突き上げるような揺れがあったばかりだ。以前乗ったタクシーの運転手が、地震関連の部署で仕事をしている人を乗せたことがあるという。その方が、こんな仕事していなければ今すぐにでも海外に移住したいと仰ったらしい。運転手が「そんなに危ないですか」と訊くと、即座に「いつ来てもおかしくない」と答えたそうだ。彼らは毎日のようにそのようなデータを分析しているわけで、必要以上に過敏になってしまっているように見えたという。「でも、そんなこと聞くと穏やかじゃあないよねえ」と運転手は笑いながら言った。そりゃあ笑い話ではなく、いざそんな恐ろしい事態になれば、泡を食ってオロオロとパニックになるに決まっているが、誰もそんなことを意識して生きてはいない。東北の地震の際には、ついに来やがったと思ったが、避難する余裕があった。
 今回の地震では倒れた塀の下敷きになって女の子が亡くなった。偶々通りかかったその子は不運だった。しかしながら、ここに来て塀そのもののが違法建築だったと追求する声が上がった。ブロック塀の高さにも基準があって、建築基準法施行令では、高さが1・2メートルを超す塀は、一定の間隔ごとに強度を高めるための「控え壁」を設置することが定められているそうだが、その処置がなされていない塀は地面からの高さが全体で3・5メートルだった。この基準というものは案外知られていなくて、守られていないものは多いらしい。犠牲者が出て初めて重大さに気付くという繰り返しは毎度のことながら哀しい。

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雨雨降れ降れ



 まことに梅雨らしい空模様に猫ともども喜びもひとしお、なわけはなくて、おまけにやたらと寒い。梅雨という言葉の語源を調べた。諸説あって、中国から伝わった言葉で、元々は黴の生えやすい時期の長雨で「黴雨」だったが、「ばい」を梅に変えたとする説。梅の熟す時期の雨という説。日本では「露」から来ているとする説もある。で、結局はわからないらしい。長年にわたり分からないものをみんなは使っていることになる。面妖な。

 数多くのツアーに参加はしたが、この梅雨時のツアーというものはなかったような気がする。移動も大変だし、雨が降れば客足も鈍る。しかしながら夏の野外のイベントでは雨にたたられたことがあった。ホームページにも書いたが、最も凄まじかったのは日比谷野音のゴダイゴのステージだ。その日はビデオ撮りも兼ねていて中止にならなかった。雨は横殴りで降るし、ちょっとした嵐の中でのステージだった。ステージから見える雨はほとんど真横に流れ、照明に映えて幻想的なシーンが繰り広げられた。楽器が濡れては大変だというので、それぞれ大きな透明のビニールシートで楽器と譜面を隠し、正体不明の格好で演奏しなければならなかった。サックスは楽器の持ち替えが多く、やっと次の楽器を手にしたかと思うと、その楽器の出番は終わっていたなんてことを繰り返し、結局まともに演奏できた曲は少なかった。ミッキーさんの弾いていたオルガンは雨に濡れて鍵盤が上がらなくなるし、トミーがスネアドラムを叩くと水しぶきがあがった。お客さんは合羽を着ていたけど、そんなものが役に立たないくらいの雨だった。上田正樹さんのバンドでは阿蘇ロックフェスティバルというようなタイトルのステージで演奏した。これも雨だった。阿蘇のふもとには違いなかったが、なんだかとても安っぽいステージの作りで侘しい雰囲気があった。そこに雨だ。侘しさは増した。イベントにはギターの名手チャーこと竹中 尚人さんもいた。上田さんはチャーの傍にいて聞いたそうだ。チャーはいみじくも仰ったらしい。「阿蘇が泣くぜ」

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首脳怪談


 歴史的な会談だということで注目していたわけだが、共同声明は全体にはぐらかしたような内容で具体的なことは盛り込まれなかった。ようするに、同じテーブルについたことが重要で、今回はまあ良いってことにしようというものらしい。



 実際の胸の内は謎であって、「こいつが散々オレの国に悪態をついてきた小僧か」などと大統領は思っていたかもしれないし、一方は「こいつをこの場に引きずり出しただけでもオレはたいしたもんだな」と得心していたかもしれない。ま、見た目は異種格闘技だ。「だからあ、君らの国が核などを持つのは100年早い。危なくって仕方ないから速やかに手放しなさい」というのもあるし、「核なあ、一応持ってはみたけどなあ、金がかかって仕方ないし、なにしろ実際のところ金欠病だからなあ。経済援助をどうやってひき出すかだな。なんせ、アメリカには日本という財布があるし、そこのところの交渉をミスらないようにしなきゃ。こっちには拉致ってのがあるし、あれをちらつかせるに限るかも」ってなことだったかもしれない。しばらくはドンパチの心配が回避できるわけだが、先の見通しが明るくなったと言えないところが焦れったい。

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刃物



 今度は走行中の新幹線の中で起きた。世を儚むアホで狂った青年が凶行に及んだ。この類いの事件は忘れたころに再発する。決まり文句は「誰でもよかった」。この台詞を聞いた人は本人がそう言ったと捉える。しかしながら、あくまでも推測だが、調書をとる際のやり取りから生まれるようにも思える。「君が刺した相手は知りあいか?」「いえ」「じゃあ、なんだ、相手は誰でもよかったのか」「はい」。それで、調書には「誰でもよかった」と書かれる。
 乗り合わせた方々は不運としか言いようがない。いきなり切りつけたらしいから、現場の恐怖感は想像に難くない。何が起きたのか把握するまで、とんでもない事が身近で起きているが分かった時点で、すくむような恐怖を感じたに違いない。実際、何人かは人が殺められるのを目撃してしまっている。こんな残酷なことはない。
 新幹線のセキュリティ対策を考えるべきだとの声が上がる。一日、東京駅で乗り降りする乗客の数は40万人以上、その中に刃物を持った人がいるとして、それを防げと言う方に無理がある。一日20万人が利用する羽田空港の飛行機の場合、ジャンボジェット機でも定員は600人弱、新幹線の場合1編成の座席は1300強。それに便数も異なる。東海道新幹線の朝8時台は12、3本が出発する。1時間に1万人以上の手荷物検査など厳しいものがある。飛行機に関しては、ハイジャックを回避するための対策でボディチェック、手荷物検査をやっているわけだ。ときどき長蛇の列ができてヤキモキすることもあるが、あれは健闘しているといえる。同じことを東京駅でもやれという。羽田空港の倍以上の数のゲートを造って、金属探知器の下をくぐらせて、手荷物の透視をして・・・。だいたいそんなことをやっている鉄道は世界中どこにもないはずだ。そもそも心のねじ曲がった犯人の保護者にも問題があったに違いないし、誰にも狂った人間の突然の暴発を止めることも予知することも出来ないという現実だけが浮き彫りになって恐ろしい。

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ナレーター


 バラエティ番組だからというのもあるのだろうが、近ごろのナレーターは奇をてらう話し方がはやりらしい。変なところにアクセントをつけたり、棒読みのように伸ばしたり。かなり耳障りな話し方をする人もいて、聞くとだいたいイラッとする。中には人が喋っていなくて合成音声のものもあったりする。それが面白いとプロデューサーが決めるらしいが、目立てばいいってなものじゃないような気がする。ちゃんと日本語を喋れという事に尽きる。吹き替えのジャンルで多大な功績を残した熊倉一雄さんの影響なのか、個性的であるものと妙なものを混同しているのか、不気味な声色で語る人が多過ぎる。そりゃ、ま、仕事だからオーダー通り忠実に録音しているのだろうけど、画面を見つつあの変な調子でマイクに向かっている姿を想像すると、気の毒に思ったりするのだ。楽しくやっている人もいるかもしれないが、「オレ、こんな喋り方したくないなあ」という人がいると信じるしかない。

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