☆☆☆

暖房



 格安のホットカーペットを店頭で見かけ、思わず手が出てしまった。猫たちにはそれぞれに専用の小さいものがあるわけだが、敷いた途端にこのありさま。「なかなか気が利くじゃん」ってなものだろうか。我が物顔で二名に座られ、飼い主の座る場所はなし。冬が苦手で慣れることがない。以前、冬の最中に友人の家に遊びに行った。暖房事情が家によって異なることを初めて知った。小さいものがあるにはあったが、がんがんストーブを焚くでもなくなく、夫婦揃って厚着のうえに厚着を重ね、二人ともだるまのように膨れていた。訪ねたこちらとしては暖房もあるだろうからとジャケットを脱いでいたわけだが、なんだか寒くなってきて、マフラーまではしなかったけどジャケットを再び着ることになった。暖房費節約かなにかは分からないが、それがその家の流儀らしく、途中から早く帰りたいとそればかり思っていた。なにせ、家の中では薄着で過ごす程度に温めているのが通常だったから、カルチャーショックに近かった。家の中でこういう風だったら、彼らが外出するときはどうするのだろうと不思議に思ったものだ。で、うちのねこが言う。「ニャオーン、こりゃあ案配いいや」

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佇まい


 久々に小津安二郎監督の「秋日和」を観た。原節子、司葉子、佐分利信、岡田茉莉子など錚々たる布陣の映画だが、以前より司葉子という女優の存在感に目を奪われた。監督は女優司葉子に惚れ込み、彼女をヒロインに映画を撮ることを熱望したという話が残っている。司の他にも、原節子を筆頭に岡田茉莉子、端役だが岩下志麻も出ていて女優陣は豪華なのだが、司葉子の若々しい美しさに溜め息も出ようというものなのだ。



 小津監督のイメージする女性の佇まいにピッタリ合ったということだろうが、僕らがこどもの頃にイメージしていた大人の女性というものもこのような雰囲気だったような気がする。世の中は楚々とした佇まいと凛とした気品を女性に求めていたのだ。



 今の女優さんにはこのような方はいないように思う。今の方々が美しくないというものでもないが、そもそもこのような雰囲気の女優さんを必要とする映画というものが作られないのだ。いつの頃からか、アイドルが認知され始めたころからか、大人の女性というもののイメージが変わった。楚々とした美人というものが流行らなくなり、いわゆる「かわいい」が優先されるようになった。それも結構だが、その流れはやがてアニメの主人公のような女優を求める動きに変わっていったような気がする。いつの間にかアニメ文化がメディアの世界を席巻することになったわけだ。最近テレビで見かける女性タレントにその傾向は著しく、ときどき「漫画みたいだな」と思ってしまう。ま、それもこれも時代らしい。

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Bad News



 煽り運転のバカの裁判が始まった。高速道で追っかけて停車させ口論に及んだあの事件だ。普段から相当マナーの悪いヤツだったことも明らかになるにつれ、その男に喧嘩を吹っかけてしまった被害者も不運だったといえる。それも通り抜けるときに言わずもがなの「邪魔だボケ」と叫んだらしい。結果論だけど変なところに停めているヤツはそもそもおかしいヤツであって、余計なことは言わずにとっとと走り去るべきだった。およそ車の運転をしている人というのは多かれ少なかれ妙な闘争心を併せ持つ。イラッとさせられて煽りたい瞬間ってものがあったりするが、その一線を誰もが超えるわけではない。むかし、ギターの先輩の車に同乗して公演会場に赴いたとき、先輩は人が変わったようになった。車相手は言うに及ばず、歩行者にまで悪態のつきっぱなし。「ほらー、ほらー、何やってんだよ、バーカがー、おっと爺さん轢くぞ、こら」ってな具合で、同乗した一時間あまりずっとその状態だったから会場に着いた時には、聞いていたこちらとしてはすっかりヘトヘトになってしまっていた。普段は紳士で穏やかな人だったが、ハンドルを握ると人格が変わってしまうらしいことを知った。それで先輩の車への同乗は何かと口実を見つけて控えることになった。
 ここのところ暗い話ばかり聞く。6日未明、大阪の住宅の火事で80才と74才の夫婦が亡くなった。煙を大量に吸って意識不明の状態で搬送されたが2人とも助からなかった。男性は体が不自由で奥さんは介護をしていたという。80年生きてきて最後が火事ではあまりにも悲しいと心が痛んだ。もちろん交通事故や災害でこの世を去るのがいいというわけではないが、燃える家の中で最期を迎えてしまう無念さが痛ましく同情した。知らぬ人たちだが心から冥福を祈りたい。今はあまり耳にしないが「畳の上で死にたい」という言葉をよく聞いた。最後の望みとしてよく分かるような気がする。

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時間のずれ


 自然になったのだろうが、突然12月になってしまったような気がする。今年の夏はことさら暑く夏は終わらないのかと思えるほどだったが、あっさりと秋になり、そして師走だ。なってこったい。むかしピアニストの先輩がいみじくも仰った。「おまえ、なあ、もっと歳を取って見ろ・・。時間なんて秋に限らずつるべ落としだかんな。ま、その内分かると思うけどさ、ヒヒヒヒ」
 ま、分かる歳になった。なにせ記憶というものが若いころほど明確でないし、ところどころ都合の悪い部分は消去する傾向にあるから、どうしても一年など短くなってしまうわけだ。小学生のころの一年の長かったこと、長かったこと。今と比べると10倍ほど長かった。自分では認識していないが、生活のスピード感も子供の頃と比較すればずっと緩慢になり、良くいえばゆったりと生きているということにもなろうが、じつのところのろまなおっちゃんになっているのだろうなってなことは分かりたくなくとも分かるってなことだ。

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落ち葉



 借りている駐車場には桜の樹がある。開花の時期には車を覆い隠すように花が咲き、なかなかの風情をもたらすのだが、今の季節は花ではなく紅葉が地面を覆い隠す。厄介なのは、車に乗る前に落ち葉を取り除く作業。隣の赤い車のフロントはこんな具合だ。



 ま、不愉快な作業ではないが、雨上がりなどは取り除くのも面倒なので屋根に張り付いた葉を付けたまま走ることもあある。それで見上げて思うに、これはまだまだ続くなあってなことだ。



 元横綱が離婚したとかで、いわゆるワイドショーで盛んに取上げるのを「あほくさ」と思いつつ見る。御本人たちとしては、問題はなく円満な離婚という形に持っていきたいらしい。円満な離婚ってそんなものがあるのかどうかはさて置き、だいたい本当の理由など語るわけがない。それでもあれこれといい加減な推測で語り合っているのはバカにしか見えない、というかみんな他人の不幸を楽しんでいるようにも見えて気味が悪い。こういった番組というものは是非はともかく、人の下衆な部分を思いきり表出するためにあるらしい。

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