☆☆☆

とりあえずスマホ


 このところ久々に何度も電車に乗る機会があって、乗客の生態が変わったなあとつくづく思わされた。10年以上前からその傾向は始まっていたが、さらに加速して驚いた。ずいぶん前に山手線の新宿駅で降りて中野方面行きに乗り換えた。乗ってきた山手線のドアがプシューと閉まり、動き出した車内を振返って笑ったことがあった。つり革を持ってこちらを向いて立つ人のほとんどがスマートフォンを片手に画面を食い入るように見ていたのだ。反対側でも座席に座っている人もそうだったろうし、それは異様な光景だった。




 ひと昔前は電車の中で新聞を読む人もいたし、週刊誌を読む人もよく見かけた。代表的な新聞で夕刊フジというものもあったが、さすがに売り上げは低下しているらしい。電車に乗ってきて座席を確保した人、7人掛けの椅子の4人ほどが最初にやることはスマホを開くこと。それはあらかじめ決められていることのようで、待ちかねたと言わんばかりに迅速に行なわれる。あんちゃん的青年はゲームでもやっているのか画面から目を逸らすことはなく、表情はかなり真剣に見える。以前のように手持無沙汰で空虚な時間は失われ、電車の中でも有意義な時間を過ごすということになるのだろうか。ようするに早い話が時間つぶしだ。人は何もしない時間を勿体ないと考えるらしい。何かをしていないと落ち着かないわけだ。それで手のひらサイズの小宇宙がとても大事なものになったようにも見える。その小宇宙が発信するものの受け手として人は現代の社会に組み込まれていて、思考形態も徐々に変化しているに違いない。オイ、爺さんもスマホに代えろ、代えろと何度も犬テーテーからパンフレットが送られてきたが、なにしろ通話とメールさえ出来れば問題はないこちらとしては無反応。近ごろはあきらめたのか送ってこなくなった。そういう反応のこちらとしては、座席に着くなりスマホを広げる様子はとても奇妙に見えるのだ。

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