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ぬかあめ

 

 まだ8月だというのに肌寒い日が続く。気象予報士などは得意気に「夏は終わった」などというわけだがホンマかいな。その肌寒い早朝、みんみん蝉が鳴き喚く。ここに来て蝉も早く喚いておかなければと考えたのだろうが、ま、遅過ぎる。一日中、肌寒さの口実にするかのように雨のようなものが降り、のようなものというのは雨というより糠のようなものだったからだが、そこで気が付いた。そう言えばむかし糠のような雨の歌があった。「雨の御堂筋」は歌い出しが「こぬかー、雨降る、みどっおおすーじー」ってやつだった。聞いていたころ、はっきりとは認識していなかった。それで調べると、「小糠雨(こぬかあめ)」ってのが実際に言葉としてあった。「非常に細かい雨。ぬか雨。細雨」と書かれていた。いやあ、知らなかったなあ、この歳になるまで。歌い出しに、「こぬか」で一度切るから「小糠雨」と移行できなかったわけだ。待ち人は来ない、雨の御堂筋とすれば「来ぬか」と考えてもなんとなくつじつまは合う。10年ぐらい前に欧陽菲菲さんの歌伴をやったのは結構な爆音バンドだった。彼女はでかい音の中で歌うのが好みらしく、鈴木雅之さんとタメを張る。

 
 数年前まで毎日のような通っていた明治通りの高田馬場方面から新宿へ向かう道だが、今日通ると様変わりが著しい。もっとペタンコのイメージだったが、ずいぶんとビルが増え道幅もいくぶん広くなったように思える。最近この手合が多い。こんなことばかり言っているような気もするが、このように趣が変わっていく町並みなどを見ると、いやでも歳を取ったことを実感させられる。少し気分が重くなったりするのだ。あーあ、この加齢一直線ってのは戻れねえんだよなという風に。大袈裟にいえば時代からおいてけぼりを食ったような気になり、小糠雨ってものがそのガッカリ感にさらに拍車をかけるってのが気に入らない限り。

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