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取り違え


 長い年月を経て、実は自分が育てられた家の子供でなかったと分かるというのはどうなんだ。今回は60になる男性で、いわば人生の大半の起伏は終えた歳になってからの発覚。テレビのニュース番組で見ただけだから詳しいことは知らないが、あたし等の生まれた時代というものは、産院での乳幼児取り違え事件が頻発していたらしい。数々の取り違え事件を取材しているライターがいるぐらいだから相当なものだ。  
 双方の家庭は生活レベルの格差があって、一方は裕福で一方は極貧だったそうだ。それで、どちらかの相当歳を召した兄弟が調査に乗り出し、DNA鑑定で判明した。この取り違えの相手を見つけるのは困難を極めたようで、産院からの資料公開に手間取ったと伝えられている。番組の中で、秘密保護法案を引き合いに出し、このような情報の公開もこの先は難しくなるのではないかと仰ったパネラーがいたが、秘密保護なんとかってのはこのようなケースにも関係してくるのかと驚いた次第。  
 東京地裁は病院側に3800万円の支払いを命じる判決を言い渡したわけだが、病院側は謝罪しないと頑なな対応をしている。  
 昔は産婆さんがどの町にもいて、自宅での出産は珍しくなかった。しかし、それに対して当時の産院というものはかなり杜撰な管理態勢だったようで、働いていた人たちも次から次へと生まれる赤ん坊を前に「あれっ、どっちだったかな」などと思ったこともあったに違いない。それで、「えーい、儘よ」とうっちゃった記憶のある人もいたはず。その状況を想像すると、このような事件は人の一生を粉々にするという意味で恐ろしい。

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