☆☆☆

四十八年


 静岡地裁が刑と拘置の執行停止と判断し、急遽釈放という展開になった袴田さんのニュースが大々的に報道された。遅過ぎた感はあるが、いいニュースだった。事件のころ。あたしはまだ高校生で記憶にはなかったが、45年も後に作られた映画「BOX 袴田事件 命とは」で詳しく知ることになった。  
 テレビでの報道でもっとも印象に残ったのは、死刑判決を出した際の裁判官の一人、元裁判官・熊本典道氏の喜びの声だった。心証では無罪ではないかとの疑いを持っていたが多数決で押し切られたという。脳梗塞を患い、いくらか辛そうなご様子だったが、ソファーにもたれかかりつつ言われた「良かったぁ」との声には、体の奥から振り絞るような響きがあった。

 

 映画は二度も借りてみた。実際の疑問点を語るだけなのだが、捜査側が袴田氏ありきの積み重ねで強引に犯人に仕立てたであろうことは隠しようもなく、通らない理屈で矛盾点も押し切った。彼が元ボクサーで、被害者の一家の主人が柔道2段の巨漢であったことが、そのような判断に流れる要因だったと言われる。実際に被害者の家には来訪者があったとも言われているが、そのような判断で真犯人を追う手立ては失われてしまった。  
 今回、裁判所が証拠の捏造を指摘したことも異例らしい。しかしながら、検察側は、「拘置の継続を求める抗告を東京高裁に申し立てるとともに、再審開始決定に不服があるとして、同高裁に即時抗告する方針を固めた。」らしい。  
 承服してはいけない立場なのか、DNAを含むこれだけの事実関係が明るみになり、どう考えても冤罪と思われるこのようなケースでも非を認めない制度というものは、ま、あたしなどはフーテンのバンドマンであるからして難しいことは分かりませんが、変な話だと思いますゆえ。

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