☆☆☆

本厄?


 昨日の続きだが、「れ、さんぐろ」とか「でゅぬ・らんげー、まなたん」ってのはない。内田さんは対談の中で翻訳するとつまらなくなるものが「漫画」だという。漫画でこうなんだから文学だったら尚更のことと続くのだけど、案外漫画ってのは言えてるかもしれない。笑い関係は翻訳が難しいような気がする。他の言語に変換した途端に失われるニュアンスなどが多そうだからだ。漫才なんてものに字幕をつけるのは不可能に近いだろう。そう言えば、友人にプロレスラーのような外人プレイヤーがいるが、彼が何らかの席でご一緒した洋画の字幕翻訳で有名な方はまったく日常的な英会話が出来なかったそうだ。翻訳やっている方だから喋れるだろうと話しかけると、言葉が通じない様子で、かなり驚いたとのこと。会話ができなくても翻訳というものは成り立つらしい。

 

 それは分らないことでもない。数年前、ジャズプレイヤーの記事を雑誌に書く羽目になったとき、とにかく資料集めに精を出し、気付くと相当な量になっていた。しかし、全部が英語のものだから翻訳しなければならない。資料を前に呆然と、買い求めた本の一つが上のもので「誤訳をしないための翻訳英和辞典」。これを読んでさらに呆然としたわけだ。なにしろ誤訳する可能性が途方もなくあることが分かり、過去にも「間違いだらけの翻訳」などという本があったなあと思い出すに至って基本的な方針を変えることにした。要するに分かりにくい箇所は翻訳しないことに決めたのだ。元は伝記本だったりインタビュー記事だったりした。伝記本は評伝とは少し違うし、インタビューは日常的な会話だ。そんなにややこしい言い回しも少なかろうと高を括ってみたわけだ。  
 それでずいぶん楽になって、なんとか乗り切ることが出来た。  映画の字幕など、本当のところはニュアンスなどがずいぶん欠落しているに違いないと察することは出来るが、あらかたの筋立てが追えれば大した問題にはならないらしい。  
 今まで読んだ本で、翻訳に苛立たしい思いをしたものは多いが、投げつけたくなったのはコルトレーンのインタビューものだった。3分の4拍子ってのが出て来た。せめて音楽関係の翻訳の場合は音楽が分かる人にしろってなことだ。3分音符なんてものはこの世に存在しないのだ。 アホタレが。

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