☆☆☆

解ける日


 咲き誇った桜も今や只の葉っぱの樹。ま、ご苦労さんまた来年ってなものだ。しかし枯れた花弁が車に降り注ぎ、毎日のように運転前に掃除をさせられる。



 今日は自分にとっては椿事の日のような気さえする。10月に予定しているライブ、大石氏がデュオ以外は却下ということで、別のピアニストを探すことを余儀なくされているわけだが、そこで思い立ったのが昔の仲間というか知り合いというか連れのようなものだ。野力とは山下さんのツアーで知りあい、気心が知れるといつも一緒に行動するほど仲良くなった。そこからベースの福井五十雄さんと野力の双頭バンドでアルバムを作って活動を共にしたし、彼の書きで映画「キッチン」「愛と平成の色男」などの録音もした。相性は良かったと思う。彼が新曲を書いてきて、吹き始めると笑いながら言った。「思っていた通りに吹く・・・」彼は、アイツはこんな風に吹く筈だからここをこうしてああしてと書き進めるらしいことをその時知った。しかし、バンドにトラブルは付きもの。ちょっとした行き違いから旅先で騒ぎを起こしてしまった。ま、こちらもまだまだ若い40代初め、今に比べれば尖りまくっていた。一端爆発すると歯止めは利かずテーブルをひっくり返すような事態になってしまった。今であればもっと穏便なやり方も考えるだろうが、当時はスタジオミュージシャンとしての立場からジャズミュージシャンへの立場への移行もストレスになっていて、どうでもいいや的な自暴自棄に陥ってしまった。もちろん後悔は大きく残ったが、元通りになる筈もなかった。バンドを抜け、スタジオミュージシャンとしての道に戻った。それでも狭い世界だから、別のプレイヤーのセッションやスタジオワークで一緒になることもあった。わだかまりの正体は誰にも具体的には分からない。互いに分かっている筈なのだけど、以前のように打ち解けるのには無理があった。最後に会ったのは3年ほど前のNHKのスタジオだった。以前よりも楽に話せていた。そこで思い切ってコンタクトを取る事にした。話していて25年以上も前のことが氷解していくような気がした。スケジュールが合わず10月は無理だったが、生きていればまた一緒に音楽をできるかも知れないという望みが残ったことが嬉しく思えた。「時が解決する」という言葉があるけれど、25年は長いなあとつくづく思う。

拍手[4回]

コメント

お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字

カレンダー

05 2019/06 07
S M T W T F S
1
3 8
10 11 14
17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

最新記事

(06/16)
(06/15)
(06/13)
(06/12)
(06/09)
(06/07)
(06/06)
(06/05)

アーカイブ

最新コメント

[12/10 s・f]
[09/26 s・f]
[09/26 ぐれじゅー]