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魚問


 2015年の直木賞を得た東山彰良氏の「流(りゅう)」の中に、中国の詩人の一節が象徴的に引用されている。「魚が言いました・・・わたしは水の中で暮らしているのだから あなたにはわたしの涙が見えません」(魚説・・只因為我活在水中、所以你看不見我的涙)
 痛みや悲しみは、だれでも抱えているのだけど、他人のそれは見えず、自分だけが抱えているように思って悩む。わたしたちはみな魚なのだ、と解釈すると小説のやるせない感情が浮き彫りになってくる。ま、深い詩だ。相手を理解することが何らかの希望になるというようなものでもなく、生きるものの哀しさを、ただ放り投げたような詩だと思う。

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