☆☆☆

つんざく音


 久し振りに、そのむかし採譜したポール・ゴンザルヴェスのソロを吹いてみた。元はエリントンバンドのDbのブルース。彼は1956年のニューポート・ジャズフェスティバルのライブでエキサイティングなブルース「Diminuendo In Blue And Crescendo In Blue」の演奏を残していて、伝説的な扱いをされていたりするわけだが、あたしはその3年後にスタジオ録音で残した同じキーのブルース「Ready Go」の方がずっと優れていると思っているわけだ。理由はソロのラインに明らかな進化が見られることで、大胆なチェンジも多く使われている。

 

 ま、余計なうんちくは置いといて・・・、で、そのコピー譜を吹いていて思ったのは、サックスの音色のこと。この世代のサックス奏者というものは、基本的にアコースティック・サウンドの中での演奏だったわけだから、穏やかな音色のプレイヤーが多い。ゴンザルヴェスもどちらかというとくすんだような味わいに魅力がある。  
 電気楽器を多用する時代になって、サックスの音色は大きく変化した。というか、対抗するための変化を余儀なくされて、割とヒステリックなキリキリ系というかビリビリ系というか、とにかく場合によっては神経を逆なでするようなトーンが有効になった。ま、あたしも片棒を担いだ口だから批判的なことはゆえない。  
 ハンク・モブレーだとかポール・デスモンドなんてものは忘れ去られていくのかと思えたほどだ。この先の変化は予想できないが、よく行くスーパーのBGMがいわゆるフュージョンもどきのヒステリックなもので、ま、聴いていてイライラさせられる類い。むかし、キャバレーで客が満員になると、パチンコ屋でもそうだったように、どういうわけか「軍艦マーチ」を演奏するというのが定番だった。どういう符丁があったのかは知らないが、「さあ、じゃんじゃん飲ませよう」とかそういったものではなかったかと思う。ま、ようするに景気付けだったわけだ。  
 で、スーパーの景気付けに使われるようでは、すでに聴くものではなくなっているらしいから、キリキリ系の将来はないなあとか考えてしまうのだ。

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