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カーメン・マクレー


 20代の初めごろ、せっせせっせとレコード盤を買い漁ったが、サックスプレイヤーのものだけで手一杯。ジャズヴォーカルのレコードを買う余裕はなかった。しかしながら当時はFM放送でジャズを聴くことも多かったから、エアーチェックでその類いのレコードはずいぶん録音した。こういうことにかけては忠実な性分だったから、オープンリールに録音しておいてカセットに編集しつつ落とすってなこともよくやった。NHKのFM放送はレコード丸1枚流すような事もやっていたから好都合だった。そんな毎日の中で意外な曲に出会うこともあった。カーメン・マクレーのストリングスにバックアップされた「Isn't It Romantic」は何のアルバムかも不明だったが、その一曲だけが流されて強く印象に残った。それはサミーデイビスとローリンド・アルメイダのデュオなどを収めたヴォーカル系のカセットの最後に入れた。カーメン・マクレーの曲だけは他のトラックと印象が違ったが、そのカセットは消されることもなく、20年ほどは手元にあった。最近になってアルバムタイトルなどが判明した。



 「Book Of Ballads」ウィズ・ストリングの名盤。ここでのカーメン・マクレーは一音一音に込められた技術力の高さ、品位、ジャズ界のプリマドンナのようだ。数曲に聴かれる圧倒的な凄みと深み。「Isn't It Romantic」の印象が強かったものだから、彼女の来日公演を聴きに出かけたのはずいぶん昔のことだ。ピアノトリオをバックにしたステージは悪くはなかったが、期待したものとは違ういわゆるジャズのステージだった。ま、ウィズ・ストリングスと違うのは当たり前だ。それに、かなり前列で拝聴したわけだが、ステージに彼女が現れた瞬間、思わず息を止めたくなるほどの香水の匂いが強烈で「一瓶丸ごと吹っ掛けてきたのかな」とのけ反ってしまったのだ。何枚かアルバムも買ってみたが、「Isn't It Romantic」の入ったものが何なのかも分からないまま数十年が過ぎた。半世紀近くを経てやっと全部聴けてメデタシメデタシなのだ。それと、もう一つ。このアルバムでピアノを弾いているドン・アブニーさんはしばらく東京で活動されたことがあって、なんと、一度だけ郊外のパブのようなところのライブで共演したことがあったのだ。「そーか、そんなところで弾いていた人だったのか」と今さらながら驚いた次第。

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