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春の小川


 朝の予報では、今日は昨日より幾分気温は高くなるものの風が強く寒さが冬に戻ったような一 日になるでしょう、などと言っていたのだけど、外を見ても風があるようではなし、さては外しやがったな、ってんで出歩くことにした。風はなく、そこら中が止まったように静かなものだから、穏やかに気分も上々。

 
 ツアーで地方に行くことが多かったころ、バス移動で山を越える、四国で松山から高知に向かうような行程を幾度か経験した。そのような場合、川沿いに車が走ることがよくあった。窓から下を覗くと、澄み切っているに違いないと思える清流が見えた。いつも、下りて水遊びってのをやりたい衝動に駆られた。たぶん育ちに違いなく、子供のころの記憶が蘇るらしい。  
 生家の近くを流れていたのは大きな石がゴロゴロ転がっているような川で、組み合わさった石が丁度いい案配に遊泳場のようなものを作り上げていた。幼過ぎて、まさか泳ぐことはなかったが、飲めるのではないかと思えるほど澄みきった水の中でみんなが泳ぐのを見ていた記憶はある。  
 母はその川で洗濯をすることがあった。ちょっと前には、おばあさんは川で洗濯にという世界が現実にあったのだ。それに、その川には赤い沢蟹がいた。母に捕まるくらいだから一杯いたのだろうけど、洗面器に入れた沢蟹が嬉しくて仕方なく、家まで持って運ぶ河原の距離が待てなくて、途中で下ろして蟹に見入っていた光景だけが鮮やかに残っている。そのとき振り返って気付いた母の笑顔まで思い出す。  
 で、今日見かけた川はそこまで清流というわけではなかったが、なにしろ撮るときには気付かなかった水鳥が写っていた。長閑な午前に相応しいのでアップした。

 

 午後に入ると予報は当たりに転じ、にわかに空はかき曇り風は吹くし、いやに寒い日になってしまった。いつものことだが、春の日和というものは一瞬だったりして、その一番いい時間帯に散歩できた今日は幸運だったと言える。

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